金星
月曜日、学校へ行くと、

隣の席にいるはずの男がいない。


「おはよー。潤一は?」


あたしの3つ前の席にいるタケルに一応聞いてみた。


「うっす! たぶん月曜だし寝坊してんじゃね?」

「ふーん、どーせ女のせいっしょ」


しかも、どーせ好きでもない女と。



「あ、そうそう、お前2時間目終わったらタバコ付き合えよ」


「えー!? めんどくさー」


「コーヒーくらいおごってやっから」


顔の右側だけで笑いながら、タケルはそう言った。

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