金星
「あれ? ヨシヤじゃん! どしたの?」


「まま、ほらこれでもどーぞ」


渡されたのはホットの缶コーヒーだった。


「ありがとー」


あ、もしかしてタケル――。


「いきなりだけど、優奈ちゃん、俺と付き合わない?」


「えぇっ?」


いきなりの告白にコーヒーを吹きそうになったが……。


「俺、優奈ちゃんのこと好きだから」


長い前髪の隙間から見えるその目は、

ヨシヤの想いそのものなんだろうなと思った。

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