金星
「なー、どーだった?」


昼休み、学食にパンを買いに行った帰り。

ちょうどトイレから出てきたタケルと会った。


「え!? ……な、何が?」


そう言っているあたしの顔は真っ赤だろう。


「ふーん、あいつさー遊び人だけど、彼女には一途だから大丈夫だよ」


「な、何の話かなぁ~」


「ヨシヤのやつ、お前のこと入学当時から気になってたんだってよ」



似合わない金髪にヘアバンドをつけ直しながら、

タケルはそう言った。

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