金星
二人でベッドに腰をかけながら、

缶ビールを片手にテレビのチャンネルを合わせる。


亜季はタバコを吸わないところが他の女より、いい。


でも――


「お前、また切ったの?」


シャワーを浴びて、スウェットに着替え、

いつでも寝れるようにしていたが、


まだ亜季はベルトの太い腕時計を左手首にしていた。


「違っ……!」


肩をすくめながら、左手を隠す亜季。


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