金星
「……」
「え? ……あ、あれ……ヨシヤくん?」
テーブルの下から加奈と見た風景は、
男女混ざった5人くらいのグループの中にいる、
ヨシヤの後姿だった。
「ってか別に隠れなくてもよくない?」
加奈がテーブルの下から脱出する。
「ヨシヤくんに声かけてきたら~?」
「……いや、あの子たちいるし」
そのグループの中には、あたしに嫌がらせをしてくるギャルもいた。
「本当だ……相変わらずハデだね。優奈~店出よっか?」
なんかクラブがどうとか聞こえてきたし、DJイベントの打ち合わせっぽい。
イベントってあのギャル軍団も一緒なんだ。
何となく、嫌だなぁ。
「ヨシヤっちそれマジよくね?」
「うっそー! あははっ!」
ヨシヤたちの笑い声が後ろから降ってくる中、あたしたちはレジへ向かった。