金星

「……」


「え? ……あ、あれ……ヨシヤくん?」


テーブルの下から加奈と見た風景は、

男女混ざった5人くらいのグループの中にいる、

ヨシヤの後姿だった。


「ってか別に隠れなくてもよくない?」


加奈がテーブルの下から脱出する。


「ヨシヤくんに声かけてきたら~?」


「……いや、あの子たちいるし」


そのグループの中には、あたしに嫌がらせをしてくるギャルもいた。


「本当だ……相変わらずハデだね。優奈~店出よっか?」


なんかクラブがどうとか聞こえてきたし、DJイベントの打ち合わせっぽい。


イベントってあのギャル軍団も一緒なんだ。

何となく、嫌だなぁ。


「ヨシヤっちそれマジよくね?」

「うっそー! あははっ!」


ヨシヤたちの笑い声が後ろから降ってくる中、あたしたちはレジへ向かった。
< 90 / 358 >

この作品をシェア

pagetop