金星
「よく優奈のクラス仕切ってるじゃん、しかもみんながそれに付いていってるのがすごいな~と思って」
「そーなんだーー! 超応援するよ。
あたしにできることがあったら言ってね!」
「だーかーら、まだ気になってるレベルだってぇ!」
エレベーターが開いて、
駅前通りからの光があたしたちを包んだ。
加奈の頬は真っ赤になっていた。
『今度のクラスの女子会、優奈誘わなくていいんでね? どうせあいつ男にしか興味ないんだし』
『男とベタベタしすぎ。ってかまじ男変わりすぎ~』
中学の頃、クラスの女子たちにハブられたことがある。
でも加奈はそれをモテない女のひがみだよって言ってくれて、
悪口たちからあたしを守ってくれた。
仲良くなる前は、
あたしのこと遊び人って思ってたらしいけど。
加奈は強いなあ。
あたしは、弱いのかな?
ううん、大丈夫。
ヨシヤがいれば。