金星

――ヨシヤが困ってる?


「とりあえずちゃっちゃと脱がして写真取っちゃおっか」


――うざがられてる?


「やめてよ! ヨシヤがうざがってるわけない!」


「はんぁあ!? だから口答えしてんじゃ……

ねーよ!!」


乱暴な言葉とともに、

ナナの右足が勢いよくあたしのお腹に向かって放たれた。


「ううっ……」


勢いよく、あたしは後ろに倒れこんだ。


息ができない。

体が痛い。


地面は細かい砂利のため、どこか擦りむいたかもしれない。
< 98 / 358 >

この作品をシェア

pagetop