金星
「とりあえず、そろそろ男子呼ぼうか」
「こいつ、マワしちゃっても~……いいんじゃね?」
「っ……!」
横からもう一発蹴りをくらった時、
「ストーーーーーーーップ!! そこの君たち、イジメはやめなさーーーーい!!」
聞き覚えのある声が、ボリュームMAXで聞こえてきた。
体育倉庫の方角を見ると、
「ってあれ? 優奈ちゃん!?」
倉庫の奥に、タバコ仲間らしい軍団がいて、
タバコを片手にしたタケルが、こっちに向かってきた。
「へー、チミたちヨシヤっちの友達だよねー? なーんで優奈ちゃんいじめてるのかな~?」
「あははっ、何いってるの? いじめてないし~」
タケルの挑発的な言い方に対し、
ギャルたちは笑いながら軽い話し方に戻っていた。
「……ふーん、まあいいけど。優奈ちゃん大丈夫?」
タケルの右手にひっぱられて、
あたしは立ち上がることができた。
「うん……ありがと」
まだ上手く言葉が出てこない。