Bitter or Sweet?
その日を境に、
朝起きても、
歯を磨いても、
服を着替えても、
食事をしていても、
勉強をしていても、
バイトをしていても、
脳裏にはずっと先生の「そのピアス可愛いね」という言葉が、
壊れたテープレコーダーのように無限に再生され、
あの時の先生の表情を思い出すだけで、
胸の奥からこみあげてくる、喜びに似た、
それでいて喜びそのものではない他の何らかの感情を覚えていた。
こんなこと、今までで初めての経験だった。
先生のことを思い出すだけで、
心臓がきゅーっとなって、
周囲に聞こえてしまいそうな大きい音でドキドキしてきて、
それでいて何故だかすごくうれしくなってきて。
いつの間にか、四六時中、私の頭は先生の事で一杯になっていた。
先生、今何をしているのかな。
先生は食事で何を食べるのかな。
先生って何時に寝るのかな。
先生は朝何時に起きるのかな。
先生は朝ごはん、何食べるのかな。
先生は春休み、どこかに行ったりするのかな。
先生は・・・好きな人、いるのかな。