F.L―extra―
もう慣れた…



「関くんってさぁ、超カッコいいよね!外国の王子様みたい!!」

「だよね!!実はハーフなんじゃない?目の色、うちらとなんか違うもん」



学校で女子たちのバカみたいな会話のネタにされんのには。



あいつらは必ず言う…

関英嗣はハーフだ、って。



どこから仕入れた情報なんだか知らねぇけど、俺はハーフでも何でもない…

父親も母親もマットーに純粋な日本人

ただ…

人よりも格段に色素が薄いだけ



カラコンしてる訳でもないのに、目の色は薄く茶色がかってて…

染めたことだって1度もないのに、ブリーチしたんじゃないかってくらい完璧な茶髪で…

日焼け止めなんか使ったことないのに、陶器みたいに真っ白な肌で…



俺にとっては嬉しくもなんともないこんな状態が、だけど残念ながら女どもには好評らしい





どこへ行っても

何をしても

カッコイイカッコイイカッコイイカッコイイ…



そればっかり…




だけど…


「…でも関くんって愛人の子らしいよ?」



話のオチには必ず、これがついてくる。



愛人の子の何が悪い…



俺だって、好きで愛人の子になったわけじゃない。



気づいた時にはそんな環境だった…ただそれだけ。



でも。



ガキの頃から同じ事いわれ続けたから、もう慣れた…



まさか、中学生になってまで言われるとは思ってなかったけど…


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