当たり前の感情変化

「ちょっと怖いくらいやな、夜の海。」

「うん。」

「ブラックホールみたいやな。」

「うん。」

「何か俺、この海に飛び込む勇気はないわ。」

「はぁ?そら、そうやろ。」

急に何を言い出すのかと驚いた。彼をじっと見ていると、このブラックホールのような果てしなく黒い海に吸い込まれてしまいそうな気になって。

頬にキスした。


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