エール
「沖縄は暑いんでしょ?」
明日香はキラキラした目で華那に聞く。
「そうだね。こっちは少し涼しいね~まず気候に慣れなきゃ」
「ここは、冬は乾燥して夏は湿気が凄い地域だから、また都会とは違うんだよ。山に囲まれてるからさ!」
「今まで海に囲まれてたから、山に囲まれてるって何か新鮮!音和は生まれた時からここに住んでるの?」
華那に呼ばれてハッとする。
話聞いてるつもりで、ボーッとしてた。
「うん、私は生まれた時からここ。家が学校から徒歩20分なんだ」
「じゃあ、この学校に決めた理由って家が近いからとか!?」
ずいっと指をさして明日香が私に聞いてきた。
顔は確信をしたようにニコニコしている。
「…うん。まぁそんなところ」
私も笑顔で答える。
「ちょっとトイレ行ってくる~漏れそう!」
急いで教室から出ていく私に、明日香と華那が「女の子がはしたないぞ」と笑いながら言ったのが後ろから聞こえた。