エール
「あの…これ…」
私がネックレスを見せると、
じっとネックレスを見つめた矢野さんが、ハッと目を見開いて私の顔を見た。
「君が……音和ちゃん?」
私の名前が出てびっくりする。
矢野さんは急いで椅子を2脚用意すると、私と優也に座るように進めた。
「本当に来るとは……あの時は豊の冗談かと思ってたし……」
マジマジと私たち二人を見つめる矢野さんは、優しい顔だった。
「あの、どういう事ですか?」
行くように言われただけの私は、これからの事がよく解らなかった。
「ごめんね、感動しちゃって。
俺は豊の親友。中学からの知り合いなんだ…ほら、あいつ隣町から今の家に引っ越したから、隣町に居た時からの友達」
豊の親友……私が出会う前から豊を知る人。