エール
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3.音楽室。
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音楽室に入る頃には夕日も沈もうとしていた。
音楽室は誰も居なく、ガランとしてて、壁に掛けられた有名音楽家の写真に、黒くて大きなグランドピアノ。
一クラス分の机と椅子。
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優也、前に俺に弾いた曲弾いて。
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「……えっ…」
優也は小さく声を出す。
「………優也…ピアノ弾けるの?」
私は驚いて優也を見た。
優也は「うん」と頷くと、ピアノの前に座り、鍵盤を触りながら沈み方を確認すると、一呼吸した。
調度ピアノを挟んで目の前に居る私をジッと見てから、
ゆっくりと鍵盤に指を沈める。
優也の指から奏でられた音は、とても緩やかで…とても優しくて…
「この曲!」
少し弾いたところで気が付いた。
これは私の大好きな曲。