エール
…………これは……
「宛名が書いてあるって事は、音和に読んで欲しいんだよ……
俺は読まないから、音和一人で読みなよ」
優也はそう言った。
でも一人では気持ちが変になってしまいそうだから、
「つつじ公園」へ行って、
私が読む間、優也に隣で待っててもらった。
二人でブランコに腰掛ける。
5歳の時と同じ並び方。
カサッと音を立てながら、中の紙を出すと……
それは10枚以上の便箋。
こんなに何を書いたんだろう…
―――――
音和、
皆から色々な話を聞いて、色々なものを見て来たと思う。
俺が、どんなに音和に助けられたか…
音和が居たからどれだけ変われたか…
どんなに音和を大切に思ってたか…
俺は音和に沢山のものを貰えたんだ。
音和、俺の我が儘を一つ聞いてほしい…
最後に音和とデートしたい。
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