エール
2歳離れた恋人の私たち。
豊は相変わらず、私の心を読み取るのが上手いのか、
喧嘩もせずに仲良く過ごした。
恋人としてキス以上には進まない私たちだったけど、
それでもお互いの愛情を感じて、隣に座ってるだけで幸せだった。
中学2年生が終わる3月から付き合い始めた私たち。
直ぐに受験生となると豊は、
「俺の高校にしなよ」
と私に言った。
豊の行ってる高校は、家から徒歩20分の場所だけど、私の偏差値よりも少し高めだった。
それでも豊と一緒に登校する学校生活を想像すれば、嫌いな勉強も頑張れたんだ。
受験生で勉強も忙しいけど、豊は時間の使い方が上手くて、
息抜きとしてたまに私をデートへ誘ってくれては、勉強への活力を与えた。