《短編》決戦は2月14日
「今帰ってきた所なんです。さっ、寒いから早く入りましょ。」


顔は見れない。
でも、声だけは明るく言ったつもり。


玄関を開けると、お母さんが仁王立ちで立っていた。


先生が来るのにこんな遅くまで何してたのって、いきなり怒られた。

でも、後ろにいる先生に気づくと、恥ずかしそうに先生と話してる。


ずっとお母さんと話しててくれたらいーのに…


そう思いながらお母さんの横を通って部屋へ向かった。


部屋は暖房が付けられてて温かった。
その温かさにまた涙が出そう。


こんなのあたしじゃない。

まるで涙腺が壊れちゃったみたい。


少しの変化がたまらなかった。



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