《短編》決戦は2月14日
ホームルームが終わり一時間目の授業の準備をしてると、美緒があたしの前の席に腰を下ろした。

『華乃おはよう。昨日どうだった?』


早速地雷を踏んでくれる美緒にイラッとしたのは言うまでもない。

感じて欲しかった。

悟ってそっとしといて欲しかった。


でも言葉にしなくちゃ伝わらないんだよね。


「振られちゃった…」


下を向いたまま言った。顔を上げると瞳に溜まった涙を見られてしまうから。


『そうなんだ…』




丁度よくチャイムが鳴って席に戻る美緒。

きっと助かったと思う。あたしだったらその後何て言っていいか分からないから…

あたし自身何も聞かないで欲しいから…。



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