双子月
オーダーを取ってもらい、メニューが下げられると、急に話し辛い雰囲気に戻った。
お冷を必要以上に飲んだり、紙ナプキンで意味もなくテーブルを拭いたり…。
皆が皆、誰が1番に喋り出すかを伺っている。
「どっから話そうか…?」
真朝は分かっていた。
大体こういうのは自分の役目なのだと。
「そうね、話さないと始まらないわ。」
と、美穂が、真朝に申し訳ないと思いながらフォローした。
朋香と瑠璃子が見つめ合っている。
どちらが先に話そうか、目で会話しているようだ。
すると朋香が先に喋り出した。
「私のは…そんなに複雑じゃないから…。
ただ、昨日の午後辺りから急に光弘の態度がそっけなくなって、連絡もくれないの。
ソレだけ…なんだよね。
理由が分からないからちょっと不安なだけで。
この位の事で皆に心配かけちゃって、ごめんね…」
と朋香が申し訳なさそうに笑った。
すると真朝が、
「何謝ってんのよ?
今まで1度だって喧嘩した事ない今時珍しいカップルなのに、光弘が避けてるって?
しかも原因が分かんないの?
それじゃ朋香が不安になる一方じゃん!
何考えてんのよ、光弘ってば!」
と興奮して怒り出した。
「いや、それが分からないから困ってるのよ…。
真朝、落ち着いて…」
美穂が冷静なツッコミを入れつつ、周りの客の視線を気にして真朝を静めた。
「美穂は一緒にいたんでしょ?
何か変わった事なかったの?」
と瑠璃子が聞いてきた。
美穂は、光弘の態度がおかしくなったのは、林先生と2人で鏡の迷路から出て来てからだという事に気付いている。
けれど、それを朋香の前で言って良いのかどうか分からない。
「いいえ、よく分からなかったわ。
突然だったわよね、朋香?」
とりあえず今は伏せておく事にした。
お冷を必要以上に飲んだり、紙ナプキンで意味もなくテーブルを拭いたり…。
皆が皆、誰が1番に喋り出すかを伺っている。
「どっから話そうか…?」
真朝は分かっていた。
大体こういうのは自分の役目なのだと。
「そうね、話さないと始まらないわ。」
と、美穂が、真朝に申し訳ないと思いながらフォローした。
朋香と瑠璃子が見つめ合っている。
どちらが先に話そうか、目で会話しているようだ。
すると朋香が先に喋り出した。
「私のは…そんなに複雑じゃないから…。
ただ、昨日の午後辺りから急に光弘の態度がそっけなくなって、連絡もくれないの。
ソレだけ…なんだよね。
理由が分からないからちょっと不安なだけで。
この位の事で皆に心配かけちゃって、ごめんね…」
と朋香が申し訳なさそうに笑った。
すると真朝が、
「何謝ってんのよ?
今まで1度だって喧嘩した事ない今時珍しいカップルなのに、光弘が避けてるって?
しかも原因が分かんないの?
それじゃ朋香が不安になる一方じゃん!
何考えてんのよ、光弘ってば!」
と興奮して怒り出した。
「いや、それが分からないから困ってるのよ…。
真朝、落ち着いて…」
美穂が冷静なツッコミを入れつつ、周りの客の視線を気にして真朝を静めた。
「美穂は一緒にいたんでしょ?
何か変わった事なかったの?」
と瑠璃子が聞いてきた。
美穂は、光弘の態度がおかしくなったのは、林先生と2人で鏡の迷路から出て来てからだという事に気付いている。
けれど、それを朋香の前で言って良いのかどうか分からない。
「いいえ、よく分からなかったわ。
突然だったわよね、朋香?」
とりあえず今は伏せておく事にした。