双子月
火曜の朝。


瑠璃子が目を覚ました時、雄一は既に目を覚まして瑠璃子を愛しそうな目で見ていた。

いつもの事なのに。

何故か今朝は、特別に甘い目線のような気がする。


(止めて、もう昨夜の温もりだけで終わらせて…)



その時、瑠璃子は気付いた。


「雄一さん、お仕事っ…!」

慌てて起き上がろうとする瑠璃子の腕を掴んで、雄一は、


「大丈夫、今日は午後からの出勤にしてるから…」


と微笑んだ。


「そ、そう…」


いつもならまだ一緒にいられると喜ぶのだが、今はこれから起こる事を考えると、一度は決意したものの、逃げ出したくて仕方がなくなってきている。


どう話を切り出せば良いのだろうか…



瑠璃子が自覚なしに難しい顔をしているのを見て、雄一から喋り出した。



「瑠璃ちゃん、今まで辛い想いをさせてきて本当にごめん…」



…来た…


…痛い…




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