双子月
…朋香の頭の中はクエスチョンマークだらけだ。
…待って、まず…智也?
林先生のコトを名前で、しかも呼び捨てにしてるの?
…そして何より…私のコトを知っている?
私は『雫』なんて、”運命”なんて知らないわよ!
思わず口に出して叫びそうになるのを、何とか飲み込んだ。
コレは…2人に相談すべきなのか?
それ以前に、全くもって、この『雫』という人間が分からない。
林先生に聞くという手もあるが、『雫』は林先生を”智也”と呼び捨てにしている。
どういう関係なのか疑ってしまう。
聞く事さえ躊躇ってしまう。
(…気持ち悪い…頭の中が混乱しすぎてグラグラする…)
とりあえず最後まで読んでみようと思い、再び便箋に視線を落とす。
便箋を持つ手が、僅かながら震えている。
『朋香、私は自分のコトを他人に知られるのがあまり好きじゃないの。
病気持ちの貴女ならこの気持ち、少なからず分かってくれるわよね?
特に私のケースは珍しく、私には智也以外、相談する人も悩みを打ち明けられる人もいないの。
だから朋香、貴女が羨ましくてたまらない。
ねぇ、お願いよ。
私は貴女のコトを知っているけれど、貴女は私の存在すら知らない。
知って欲しいの。
私という人間がこの世にいるっていうコトを、知って、認めて、想ってちょうだい』
ずきん…と胸の奥が痛むのを朋香は感じた。
疑問はたくさんあるけれど、とりあえず、自分1人の胸に秘めておこう。
そして、『雫』を知るコトから始めよう、そう思った。
…待って、まず…智也?
林先生のコトを名前で、しかも呼び捨てにしてるの?
…そして何より…私のコトを知っている?
私は『雫』なんて、”運命”なんて知らないわよ!
思わず口に出して叫びそうになるのを、何とか飲み込んだ。
コレは…2人に相談すべきなのか?
それ以前に、全くもって、この『雫』という人間が分からない。
林先生に聞くという手もあるが、『雫』は林先生を”智也”と呼び捨てにしている。
どういう関係なのか疑ってしまう。
聞く事さえ躊躇ってしまう。
(…気持ち悪い…頭の中が混乱しすぎてグラグラする…)
とりあえず最後まで読んでみようと思い、再び便箋に視線を落とす。
便箋を持つ手が、僅かながら震えている。
『朋香、私は自分のコトを他人に知られるのがあまり好きじゃないの。
病気持ちの貴女ならこの気持ち、少なからず分かってくれるわよね?
特に私のケースは珍しく、私には智也以外、相談する人も悩みを打ち明けられる人もいないの。
だから朋香、貴女が羨ましくてたまらない。
ねぇ、お願いよ。
私は貴女のコトを知っているけれど、貴女は私の存在すら知らない。
知って欲しいの。
私という人間がこの世にいるっていうコトを、知って、認めて、想ってちょうだい』
ずきん…と胸の奥が痛むのを朋香は感じた。
疑問はたくさんあるけれど、とりあえず、自分1人の胸に秘めておこう。
そして、『雫』を知るコトから始めよう、そう思った。