双子月
どれ位の時間が経ったのだろう。

まるでドラマのワンシーンのようだった。


もうすぐ面会の時間が終わる。

家族以外は帰らなければならない。


朋香も瑠璃子も、今は面会謝絶だ。

美穂・真朝・大輔は2人にも会えず、光弘の安否も確認出来ないまま帰らなければならないのかと、時間を気にしていた。



その時、手術中のランプが消えた。

皆が、がばっと顔を上げた。



手術室から帽子・マスク・手袋を外しながら、中年の男性が出てきた。


「叔父さん、どうだったんですか?」


林先生が叔父さんと呼んだその男性が執刀医だったらしい。

ふぅっと一息付いて、柔らかく微笑んだ。


「まだ意識は戻っていませんが、命に別状はありません。
手術も成功しています。
多少傷が残ったり、骨折した足のリハビリなどもしなくてはなりませんが、麻酔が切れたら意識も戻るでしょうし、安心なさって結構ですよ。」



本当にドラマのワンシーンのようだった。

皆、泣きながら抱き合って、喜びの声を上げた。


ちょうど面会が終わる時間になった。

美穂達は涙目で、それでも笑顔で、


「また明日、様子を見に来ます。」


と両親達にお辞儀をして帰って行った。



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