双子月
話は意外にも、スラスラと進んだ。
何故なら、朋香がしっかりと証言したからだ。
「私と恋人の光弘は喧嘩をしていて、その仲直りをする為に待ち合わせをしていました。
ソコに偶然通りかかった瑠璃子がナンパをされていて、光弘がソレを助けたんです。
瑠璃子が光弘に抱きついているのを見た私は、思わず走り出してしまいました。
ソレを追いかけた瑠璃子が車に轢かれそうになって、光弘が庇った…というワケです。」
光弘と瑠璃子はドキっとした。
朋香は最初から見ていたんだ。
ならば、何故逃げたのか?
光弘がナンパから助けた
瑠璃子が怖かったのでしがみ付いた
その位、朋香なら理解出来るはずなのに。
しかも、淡々と話す。
あの瞬間は興奮して、とっさに走り出したのかもしれないが、さっき目を覚ましたばかりの朋香が、冷静に昨日の事を振り返る時間はなかったはずだ。
その位、冷静に分析出来ているなら、尚更、昨日逃げた意味が分からない。
「今ので間違いや付け加えはありませんか?」
警察官が尋ねてきた。
「あ、はい…」
と、光弘と瑠璃子は答えた。
「では本人達からの証言は得られたという事で…
後は林先生、お2人の精神状態についての見解を付け加えていただけますか?」
ともう1人の警察官が言った。
「分かりました、では場所を変えて…。
朋香ちゃん、瑠璃子ちゃん、後で病室に顔を出すからね。」
そう言って、大人達は出て行ってしまった。
残った3人は、ちょっと気まずい雰囲気を感じていた。
何故なら、朋香がしっかりと証言したからだ。
「私と恋人の光弘は喧嘩をしていて、その仲直りをする為に待ち合わせをしていました。
ソコに偶然通りかかった瑠璃子がナンパをされていて、光弘がソレを助けたんです。
瑠璃子が光弘に抱きついているのを見た私は、思わず走り出してしまいました。
ソレを追いかけた瑠璃子が車に轢かれそうになって、光弘が庇った…というワケです。」
光弘と瑠璃子はドキっとした。
朋香は最初から見ていたんだ。
ならば、何故逃げたのか?
光弘がナンパから助けた
瑠璃子が怖かったのでしがみ付いた
その位、朋香なら理解出来るはずなのに。
しかも、淡々と話す。
あの瞬間は興奮して、とっさに走り出したのかもしれないが、さっき目を覚ましたばかりの朋香が、冷静に昨日の事を振り返る時間はなかったはずだ。
その位、冷静に分析出来ているなら、尚更、昨日逃げた意味が分からない。
「今ので間違いや付け加えはありませんか?」
警察官が尋ねてきた。
「あ、はい…」
と、光弘と瑠璃子は答えた。
「では本人達からの証言は得られたという事で…
後は林先生、お2人の精神状態についての見解を付け加えていただけますか?」
ともう1人の警察官が言った。
「分かりました、では場所を変えて…。
朋香ちゃん、瑠璃子ちゃん、後で病室に顔を出すからね。」
そう言って、大人達は出て行ってしまった。
残った3人は、ちょっと気まずい雰囲気を感じていた。