双子月
林先生は部屋をぐるりと見渡した。
光弘・瑠璃子・美穂・真朝・大輔、そして朋香。
光弘はベッドに入り、また右足を天井から吊るしている。
他の皆はパイプ椅子に座っている。
林先生も椅子に座り、数分の沈黙をやっと破った。
「今回の事は、いろいろと大変だったね。
皆、それぞれ想うところがあったと思う。
だけど、本当に大変なのはこれからだと思うんだ。
君達は今…えっと、真朝ちゃんと大輔君は少し違うかもしれないけど、人生において1つ目の難関に向き合っている。
何が正しい答えか分からない世界だけれども、どういう結果が待っているか分からないけれども、まずは自分の事を第一に、そして周りの皆の事も考えて欲しい。
君達は、大人と子供のちょうど中間地点にいる。
悩み、苦しみ、迷い、泣いたりする事は決して恥ずかしい事ではない。
前に進みたいなら背中を押してあげる、立ち止まっていたいなら抱きしめていてあげる…。
そういう人達、主にご両親や僕みたいな専門家がいるから安心して良い。
これから僕が話す事を理解するのは難しいかもしれないけれど、決して夢物語じゃない、現実なんだ。
目を逸らさずに受け止めて、そして、それぞれ考えて欲しい。」
やや長めに前置きを紡ぐと、林先生は想い出すように目を瞑って語り始めた。
光弘・瑠璃子・美穂・真朝・大輔、そして朋香。
光弘はベッドに入り、また右足を天井から吊るしている。
他の皆はパイプ椅子に座っている。
林先生も椅子に座り、数分の沈黙をやっと破った。
「今回の事は、いろいろと大変だったね。
皆、それぞれ想うところがあったと思う。
だけど、本当に大変なのはこれからだと思うんだ。
君達は今…えっと、真朝ちゃんと大輔君は少し違うかもしれないけど、人生において1つ目の難関に向き合っている。
何が正しい答えか分からない世界だけれども、どういう結果が待っているか分からないけれども、まずは自分の事を第一に、そして周りの皆の事も考えて欲しい。
君達は、大人と子供のちょうど中間地点にいる。
悩み、苦しみ、迷い、泣いたりする事は決して恥ずかしい事ではない。
前に進みたいなら背中を押してあげる、立ち止まっていたいなら抱きしめていてあげる…。
そういう人達、主にご両親や僕みたいな専門家がいるから安心して良い。
これから僕が話す事を理解するのは難しいかもしれないけれど、決して夢物語じゃない、現実なんだ。
目を逸らさずに受け止めて、そして、それぞれ考えて欲しい。」
やや長めに前置きを紡ぐと、林先生は想い出すように目を瞑って語り始めた。