双子月
次の日、朝1番。


母親も有田も仕事を休み、ネットなどで調べたりして、ある決意をした。


「朋香、起きてちょうだい。
ちょっと病院に着いて来て欲しいの。」


朋香は目をこすりながら、

「ん…何、具合いでも悪いの?
ママ、どうかした?
それともお義父さん?
…っつ、いた…」


朋香は寝ぼけ半分で痛みを発している場所、左手首を見た。

丁寧に包帯が巻いてある。


首筋にも違和感を感じ、そっと触れてみると、ガーゼが当てられていた。



「ママ、コレ…?」


「やっぱり覚えていないのね…。
朋香、貴女は今、大事な事から逃げているの。
お医者さんに診てもらいましょう、ね?
評判が良い所を探したから。」


母親が優しく諭すように言った。



朋香は訳が分からないまま、林クリニックに連れていかれた。

3人で診察室に入ると、割と格好良い男の人が立ち上がって出迎えた。


「どうぞ、そちらにおかけください。」


そう言って自分も椅子に座った。



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