双子月
自分でも何で言葉が続かなかったのか分からなかった。
この状況は…?
引っ張られている。
胸ぐらを掴まれている。
座っていた椅子が、ガシャンと音を立てて倒れる。
雫の両肩に置いていたはずの自分の手は、今やベッドの布団に圧力をかけている。
この柔らかい唇の感触は…
(半年前に別れたあいつより全然柔らかい…)
雫の唇に応えながら、大輔は全く別の事を考えていた。
雫が5度目のkissを仕掛けようとした時、大輔はやっと我に返った。
「…なっ…?」
大輔は雫から反射的に離れようとしたが、雫が仰向けになって大輔の首に腕を回していたので、逃れられなかった。
「ねぇ、大輔…
光弘を忘れたいの…
お願いよ…」
そう言うと、今度は少し強引に5度目のkissを奪った。
「忘れるなんて…そんな簡単に出来るのかよ?
それに誰でも良いって訳じゃないだろ?
都合良く光弘の友達の俺を使うなんて、朋香らしくない!」
と、大輔は息を切らして反論した。
すると、
「何言ってるの?
『朋香』らしくないって…
『私』は『雫』だもの。
でもそうね、誰でもイイってワケじゃないかな。
光弘の親友である大輔だからこそ、意味があるのよ。
最高の仕返しで、最低の裏切りでしょ?」
と雫は当然のように言った。
(狂ってる…)
大輔はそう想いながらも、もう雫の呪縛から逃げ出せなかった。
この状況は…?
引っ張られている。
胸ぐらを掴まれている。
座っていた椅子が、ガシャンと音を立てて倒れる。
雫の両肩に置いていたはずの自分の手は、今やベッドの布団に圧力をかけている。
この柔らかい唇の感触は…
(半年前に別れたあいつより全然柔らかい…)
雫の唇に応えながら、大輔は全く別の事を考えていた。
雫が5度目のkissを仕掛けようとした時、大輔はやっと我に返った。
「…なっ…?」
大輔は雫から反射的に離れようとしたが、雫が仰向けになって大輔の首に腕を回していたので、逃れられなかった。
「ねぇ、大輔…
光弘を忘れたいの…
お願いよ…」
そう言うと、今度は少し強引に5度目のkissを奪った。
「忘れるなんて…そんな簡単に出来るのかよ?
それに誰でも良いって訳じゃないだろ?
都合良く光弘の友達の俺を使うなんて、朋香らしくない!」
と、大輔は息を切らして反論した。
すると、
「何言ってるの?
『朋香』らしくないって…
『私』は『雫』だもの。
でもそうね、誰でもイイってワケじゃないかな。
光弘の親友である大輔だからこそ、意味があるのよ。
最高の仕返しで、最低の裏切りでしょ?」
と雫は当然のように言った。
(狂ってる…)
大輔はそう想いながらも、もう雫の呪縛から逃げ出せなかった。