双子月
夕食の時間も近付いたので、光弘は自分の病棟に戻っていった。



左手を上にかざして、その光が反射するのを見る。

クスクス嘲いが止まらない。

お得意の口元だけの嘲み。


「『愛してる』わ、光弘。
誰よりも…」


そう言いながら、携帯を取り出して”ある人”にメールを打った。




明日はクリスマス


皆にプレゼントをあげなくちゃね…

とっておきのプレゼント…



『夕方5時、月がよく見える場所で待ってます』


そう、”アナタ”を待っているから…





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