双子月
12月25日。


その日も、午前中から『雫』の病室には客足が途絶えなかった。

美穂・大輔・剛は、それぞれお互いが『雫』と何をしているのか分かっている。



”自分と同じ”だろう。



だから自然と時間割が決まっているのだ。



美穂が午前中に来て、『雫』と戯れる。

大輔が昼過ぎに来て、『雫』と戯れる。

剛が仕事帰りに来て、『雫』と戯れる。



いつも通りだった。


ただ、林先生が地方で開かれる学会に出席する為に出張していて、水曜日以来、逢っていない。


入院担当主治医とは、その日も軽く話をしただけだった。

経過は良好と判断された。



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