双子月
夕方5時。


冬なのでさすがに辺りは真っ暗だ。

救いなのは、月が綺麗に出ていて、足元を照らす位は頼りになっていた事。



瑠璃子はコートにマフラーをして、『雫』の指定した場所に先に辿り着いていた。


はぁっと息を吐くと、白くてふわふわしたモノが空に散っていく。



(『雫』と話す…
でも私だって負けない…
『雫』はきっと、光弘を都合良く利用するだけだもの…
『朋香』に戻るまでは、私が光弘の傍にいるわ)


瑠璃子はぎゅっと決心を固めた。



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