双子月
第5章*形を繰り返す月達

1…【Dear】

【Dear 美穂】


『私』には良く分からないけれど
貴女は『私と私』を愛してくれていた気がするの
柔らかな風で美しく揺れる穂波のように
貴女は『私達』の心を揺らしてくれてた
願わくば、貴女がこれから出逢う人達の心をも、同じように揺らしてあげんコトを





「行ってくるね、雫、朋香…」


美穂は2つの写真立ての中の2人にそれぞれ手を合わせて、通学用のバッグを手に、家を出た。





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