双子月
「じゃじゃ~ん!」
先に着替え終わった真朝が出て来た。
ばっちり王子様、ロミオだ。
真朝は短髪だから、カツラは要らないだろう。
あまりに男前すぎてどう誉めて良いか分からないが、とりあえず本人は気に入ったようで、自慢気にクルクル回ってマントを見せびらかしたりしている。
少し遅れて瑠璃子が出て来た。
「へ…変かなぁ…?」
皆の視線をもろに感じて、顔が赤くなってしまっている。
変だなんてとんでもない、見惚れてしまう程、良く似合っている。
ただ、瑠璃子は茶色に髪を染めていて、そこまで長くもないので、黒髪の長いカツラが必要だ。
そのような小道具は、演劇サークル部員が用意している。
さっそく被せてみると、どこから見ても平安時代のお姫様。
かぐや姫だ。
「すごーい。
瑠璃子ってこうして見ると、日本美って顔立ちしてるね~!」
調子に乗った真朝が膝まづき、瑠璃子の手を取って、甲に軽くkissをする。
「お姫様、ワルツを1曲、お相手頂けませんか?」
瑠璃子もその気になったようで、
「あら、気が利かない方ね。
この召し物でワルツが踊れるとでも思って?」
と冗談で返す。
皆がキャッキャと騒いでいる中、美穂は、瑠璃子の長い黒髪に、吸い込まれるように魅せられていた。
そう、美穂の想い人を想い出させる。
長くて黒いその髪に触りたい。
雫の本物の気品に触れたい。
そして同じく皆と騒いでいる朋香を見て、
(やっぱり…)
美穂は1人胸の中で呟いた。
心臓の高鳴りを抑えながら…。
先に着替え終わった真朝が出て来た。
ばっちり王子様、ロミオだ。
真朝は短髪だから、カツラは要らないだろう。
あまりに男前すぎてどう誉めて良いか分からないが、とりあえず本人は気に入ったようで、自慢気にクルクル回ってマントを見せびらかしたりしている。
少し遅れて瑠璃子が出て来た。
「へ…変かなぁ…?」
皆の視線をもろに感じて、顔が赤くなってしまっている。
変だなんてとんでもない、見惚れてしまう程、良く似合っている。
ただ、瑠璃子は茶色に髪を染めていて、そこまで長くもないので、黒髪の長いカツラが必要だ。
そのような小道具は、演劇サークル部員が用意している。
さっそく被せてみると、どこから見ても平安時代のお姫様。
かぐや姫だ。
「すごーい。
瑠璃子ってこうして見ると、日本美って顔立ちしてるね~!」
調子に乗った真朝が膝まづき、瑠璃子の手を取って、甲に軽くkissをする。
「お姫様、ワルツを1曲、お相手頂けませんか?」
瑠璃子もその気になったようで、
「あら、気が利かない方ね。
この召し物でワルツが踊れるとでも思って?」
と冗談で返す。
皆がキャッキャと騒いでいる中、美穂は、瑠璃子の長い黒髪に、吸い込まれるように魅せられていた。
そう、美穂の想い人を想い出させる。
長くて黒いその髪に触りたい。
雫の本物の気品に触れたい。
そして同じく皆と騒いでいる朋香を見て、
(やっぱり…)
美穂は1人胸の中で呟いた。
心臓の高鳴りを抑えながら…。