双子月
真朝はドアを開ける手を一瞬止めた。
「…さん…、こんな所に来て大丈夫なの…?」
か細い女性の声がする。
「あぁ、今日は前髪も下ろして眼鏡で来たし、大体これだけ人数がいれば誰かに鉢合わせたりする事はないだろう。
皆、現役の大学生や高校生ばかりだし。
こんなサラリーマンが来るなんて珍しいよ。
それに普段の生活の場も見ておきたかったしね。
いつも人目を気にしてばかりで申し訳なく想っていたけど、今日くらいは腕を組んで歩いていても、誰にもばれないだろう。」
「嬉しい…
本当はずっとこうしていたいのに…」
「瑠璃ちゃん…」
真朝は剛に口を塞がれるよりも早く、思わず口に出してしまった。
「え、瑠璃子!?」
「誰!?」
抱き合ってkissをしていた2人が、入り口の方に視線を向けた。
2人共、ものすごく驚いた顔をしている。
真朝は、申し訳なさ気にドアを開けて、
「ごめん、瑠璃子…
覗くつもりじゃなかったんだけど…」
と言った。
「真朝…と、剛さん…」
心臓はまだドキドキ言っていたが、真朝と剛ならまだ口止め出来る。
幸い、雄一は指輪を外しているので、普通にお付き合いしていると言えば良いからだ。
しかし、今度は雄一が青ざめていた。
そしてよく見ると、剛も固まっていた。
「雄一…お前…
瑠璃ちゃんと今…
お前、お前…
奥さんと子供はどうしたんだよ!?」
…え…
4人は遥か向こうから聞こえる学園祭の音しか響かない講義室の中で、それぞれ青ざめて立ち竦んでいた。
「…さん…、こんな所に来て大丈夫なの…?」
か細い女性の声がする。
「あぁ、今日は前髪も下ろして眼鏡で来たし、大体これだけ人数がいれば誰かに鉢合わせたりする事はないだろう。
皆、現役の大学生や高校生ばかりだし。
こんなサラリーマンが来るなんて珍しいよ。
それに普段の生活の場も見ておきたかったしね。
いつも人目を気にしてばかりで申し訳なく想っていたけど、今日くらいは腕を組んで歩いていても、誰にもばれないだろう。」
「嬉しい…
本当はずっとこうしていたいのに…」
「瑠璃ちゃん…」
真朝は剛に口を塞がれるよりも早く、思わず口に出してしまった。
「え、瑠璃子!?」
「誰!?」
抱き合ってkissをしていた2人が、入り口の方に視線を向けた。
2人共、ものすごく驚いた顔をしている。
真朝は、申し訳なさ気にドアを開けて、
「ごめん、瑠璃子…
覗くつもりじゃなかったんだけど…」
と言った。
「真朝…と、剛さん…」
心臓はまだドキドキ言っていたが、真朝と剛ならまだ口止め出来る。
幸い、雄一は指輪を外しているので、普通にお付き合いしていると言えば良いからだ。
しかし、今度は雄一が青ざめていた。
そしてよく見ると、剛も固まっていた。
「雄一…お前…
瑠璃ちゃんと今…
お前、お前…
奥さんと子供はどうしたんだよ!?」
…え…
4人は遥か向こうから聞こえる学園祭の音しか響かない講義室の中で、それぞれ青ざめて立ち竦んでいた。