PARADOX=パラドックス=
「ニコル、フィーダいくわよ」
「おうよ」
「分かってるよ」
ややふてぶてしい態度のニコルと、おとなしそうなフィーダ。
2人の身体がまばゆく光り、その光がスワロの手に集まっていく。
「まったく、こんな時にシルビーは何をしているんだい」
ルーザは後ろの額縁をずらすと、そこにあった隠し金庫から数枚の紙を取り出した。
スワロは一瞬にしてそれが何かを把握した。
「対ブレイグル用の戦闘護符か……
そんなもので私の双剣をどうにかできるとお思いですか!?」
スワロの右手には燃える様に真っ赤な剣と、静かな海の様に真っ青な剣が握られていた。
「勘違いをしないで、あたしはあんたと戦うつもりなどはなからありゃしないよ」
ルーザは六枚の紙を自身を中心に円状に並べた。
「……しまった!!」
すぐに真っ赤な剣を振りかぶりルーザに近づくスワロ。
ルーザは不敵に笑う。
ルーザが置いた紙が光を放ち、円状におかれたそれぞれから光が伸びる。
それはルーザを取り囲んだ六芒星を描き温かな光がルーザを包み込む。
「くそっ、六支柱による完全結界か……しかしこんなもの、ただの時間稼ぎにしか――!!」