PARADOX=パラドックス=


オレは懐からルーザに渡された手書きの地図を取り出す。

「どうやら城の近くらしいが、何だこのマークは?

六角形が崩れたみたいな……」

おそらくは外套技師のいる場所が示されているであろう所に、六角形を崩した様な妙な形が描かれていた。

「ま、取り敢えずは行ってみるしかねぇか」


砂の足場に立てられた石造りの建物がずらっと並ぶ。

窓に干された洗濯物が風に揺れる。

陽も陰り始め、辺りから夕飯の匂いが漂ってきていた。

その時、「ぐぅーっ」と後ろから聞こえてネオンの方を見ると、ネオンはビックリしたような顔で自分の腹を押さえていた。

「なんだネオン。腹減ったのか?」

ネオンは目をパチクリとさせる。

「お腹が減ったら、お腹がぐぅーって言うの?なんで?」

「そりゃ腹の虫って言うんだよ」

「腹の虫?お腹の中に虫さんがいるの?

私食べちゃったの?」




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