PARADOX=パラドックス=
その言葉にオレは無意識に身を乗り出していた。
汗が全身からあふれでる。
「等価交換には足りたのかい?」
オレの奥底から何かが溢れだし、それは笑いとなって現れる。
「くく、くはははは。なるほど、そりゃあ良い。
確かにそりゃ何万積もうとも手に入れたい情報だ。等価交換成立だ」
「ふふ、宜しく頼むよシド先生」
オレは笑いをこらえられないままにルーザの店を出ていく。
ルーザは背中でオレを見送っていた。
不敵な笑いを隠すこともなく。