大吉男と大凶女
そんな空気で、人ゴミ、かつ季節は三月。途中途中で卒業式を抜ける人も出始めた。もちろん体調不良だろう。
驚いたのは卒業生の内一人が倒れたことだった。ガタンッと沈黙のなか、大きな音が鳴ったため、眠っていた下級生も驚いて飛び起き、同じように椅子の音を立てて、一人突然立ち上がる、なんてこともあったらしい。
下級生は起立だと勘違いしていたらしい。卒業生は風邪を引き、熱があり、目まいを起こし倒れたとのこと。その卒業生は教職員二人に肩を借り退室。その後卒業式には姿を見せなかった。俺は寝ていたのでどちらも後から聞いた話だが……。まぁいい思い出になったんじゃないですか?と、心の中で皮肉った。
そんな調子で卒業式も終わりを迎え、二年生は卒業式の片付けをさせられていた。
「いやー、しかし歩美さんは可愛いかったなぁ」
と、パイプ椅子を運びながら俺と太一に挟まれた晴紀がしみじみ言った。
俺はチラッと太一に視線をやる。太一はもう大丈夫そうだったので安心した。
「ああいうのを和風美人って言うんだろうな」
そうやって歩美さんが話題にあがってしばらくするうちに、段々とまた太一の調子が悪くなってきた。
驚いたのは卒業生の内一人が倒れたことだった。ガタンッと沈黙のなか、大きな音が鳴ったため、眠っていた下級生も驚いて飛び起き、同じように椅子の音を立てて、一人突然立ち上がる、なんてこともあったらしい。
下級生は起立だと勘違いしていたらしい。卒業生は風邪を引き、熱があり、目まいを起こし倒れたとのこと。その卒業生は教職員二人に肩を借り退室。その後卒業式には姿を見せなかった。俺は寝ていたのでどちらも後から聞いた話だが……。まぁいい思い出になったんじゃないですか?と、心の中で皮肉った。
そんな調子で卒業式も終わりを迎え、二年生は卒業式の片付けをさせられていた。
「いやー、しかし歩美さんは可愛いかったなぁ」
と、パイプ椅子を運びながら俺と太一に挟まれた晴紀がしみじみ言った。
俺はチラッと太一に視線をやる。太一はもう大丈夫そうだったので安心した。
「ああいうのを和風美人って言うんだろうな」
そうやって歩美さんが話題にあがってしばらくするうちに、段々とまた太一の調子が悪くなってきた。