大吉男と大凶女
まず未奈美の方なのだが……極端に恭子に過保護、というより恭子のお母さんみたい、というか、やたら響子にベッタリなのだ。

まぁ本人曰く、「恭子は目を離すと、何をやらかすかわからないから心配でしょうがない」と自称心配症らしい。

周りから見れば過保護にしか見えないのだが……

でも未奈美の気持ちもわからなくもない。

何故ならその佳彩恭子が未奈美の予想以上にやらかす人物だからだ。

何かをすれば、何かが起こる。しかもその何か、というのは質が悪いことに大体悪いことが起きる。

早い話がトラブルメーカー。

おっちょこちょいでありながら努力家でもあり、そして最ッ高に運が悪い。そういう意味で有名、なのだ。

つまりは俺とはまったく正反対な人間だということ。彼女の運の悪さは俺の運の良さを上回る。と、いう訳で俺はこんな被害を被っている訳であります。

「失礼しまーす」

俺はドアをノックして保健室に入った。保健室には誰も居ない。ズキズキと痛む右手に軽く手を添えながら、とりあえずは、と保健室の椅子に座った。

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