大吉男と大凶女
「はい」
歩美さんは体温計をまじまじと見つめていた。すると体温計を俺へと差し出してきた。
俺は体温計を受け取る。体温計はまだ温もりが感じられた。それだけでも十分熱があることがわかった。改めて体温計を見ると、そこには三十九度四分と数字で表示されている。
「さっきより上がってるわー」
と、また布団に潜り込んだ。俺は椅子から立ち上がり、カーテンの外に出る。
保健室に干してあったタオルを手にとる。タオルは洗ったばかりなのか、いささか濡れていた。そのままでも使えそうだったが、一応また水で濡らし、軽くしぼる。この時期の水はかなり冷たく、暖かかった手はすぐに冷たくなってしまった。
カーテンをあけ、中に入ると、歩美さんはコクリコクリと寝るか寝ないかのラインだった。今この冷たいタオルをおでこに乗せたらきっと驚くと思ったから、俺はタオルを持ったまま椅子へと座った。
ズボンのポケットに入っていた携帯を開いてみると、メールが三通来ていた。送り主は太一と晴紀と……恭子だった。
大体のメールの内容が想像つくあたり、濃い付き合いなんだな、とつくづく実感した。
歩美さんは体温計をまじまじと見つめていた。すると体温計を俺へと差し出してきた。
俺は体温計を受け取る。体温計はまだ温もりが感じられた。それだけでも十分熱があることがわかった。改めて体温計を見ると、そこには三十九度四分と数字で表示されている。
「さっきより上がってるわー」
と、また布団に潜り込んだ。俺は椅子から立ち上がり、カーテンの外に出る。
保健室に干してあったタオルを手にとる。タオルは洗ったばかりなのか、いささか濡れていた。そのままでも使えそうだったが、一応また水で濡らし、軽くしぼる。この時期の水はかなり冷たく、暖かかった手はすぐに冷たくなってしまった。
カーテンをあけ、中に入ると、歩美さんはコクリコクリと寝るか寝ないかのラインだった。今この冷たいタオルをおでこに乗せたらきっと驚くと思ったから、俺はタオルを持ったまま椅子へと座った。
ズボンのポケットに入っていた携帯を開いてみると、メールが三通来ていた。送り主は太一と晴紀と……恭子だった。
大体のメールの内容が想像つくあたり、濃い付き合いなんだな、とつくづく実感した。