大吉男と大凶女
‐3‐
「悪いわね、それじゃ歩美のこと頼んだよ」
と、言い残し、ギャグっぽく敬礼をして千里先生の車は走り去っていった。
俺と歩美さんは駅に残された。
「え、ここまで!?」
千里先生の車が行った方向に向かい一人で言った。ついてっきり歩美さんの家まで送ってくれるもんかと思っていた。
「…………」
隣には歩美さんが顔を赤くして立っている。
「歩美さん」
「ん?」
「千里先生になんて説明した?」
「…………」
歩美さんから返事はない。
「まさか『駅にお母さんが迎えに来る』なんて言ってないよな」
「…………」
歩美さんは口を開かない。絶対に近いこと言ったんだな。
「迎えに来るの?」
「……来るわけないでしょ。年中仕事してるんだし」
え、何で開き直ってんの?この人は。
「ずっと前から、朝にも散々謝られたわ。車を降りる時まで、ね」
歩美さんは誰とも視線を交わすことなく、独り言のように言った。
「……それじゃ行こっか」
「そうね」
俺達は駅の中へと歩いて向かっていった。寒そうだったので俺の制服を歩美さんに貸してあげた。
と、言い残し、ギャグっぽく敬礼をして千里先生の車は走り去っていった。
俺と歩美さんは駅に残された。
「え、ここまで!?」
千里先生の車が行った方向に向かい一人で言った。ついてっきり歩美さんの家まで送ってくれるもんかと思っていた。
「…………」
隣には歩美さんが顔を赤くして立っている。
「歩美さん」
「ん?」
「千里先生になんて説明した?」
「…………」
歩美さんから返事はない。
「まさか『駅にお母さんが迎えに来る』なんて言ってないよな」
「…………」
歩美さんは口を開かない。絶対に近いこと言ったんだな。
「迎えに来るの?」
「……来るわけないでしょ。年中仕事してるんだし」
え、何で開き直ってんの?この人は。
「ずっと前から、朝にも散々謝られたわ。車を降りる時まで、ね」
歩美さんは誰とも視線を交わすことなく、独り言のように言った。
「……それじゃ行こっか」
「そうね」
俺達は駅の中へと歩いて向かっていった。寒そうだったので俺の制服を歩美さんに貸してあげた。