大吉男と大凶女
ニ百円を取ろうと、釣受けに手を伸ばす。そこにはニ百円の他に……三百五十円が入っていた。
俺はその三百五十円ごとお釣りを手にとり、歩美さんの隣に戻った。ペットボトルを渡して、ベンチにすわる。
「どうしたの?」
「いや、お釣り入ってた」
ニ百円は財布にしまい、三百五十円を歩美さんに見せた。
「きっと私の送り賃ね」
「一体どういう根拠で?」
「勘よ。女の勘は鋭いの」
「あ、そうですか」
ってことはこれは俺の懐に入れていいのか?まぁ……いいか、たまには。もしかしたら歩美さんの言う通りかもしれない、っていうのはな無いな。
一人で心の中で否定した。
「来るわよ」
歩美さんの声で現実に戻った。ホームには電車が来る、との放送が流れている。
俺はペットボトルを開けて、一口分口に含んだ。待合室を出て電車を待つ。遠くの方からライトをつけた電車がこちらに走ってきた。
ふと空を見れば、もう夕方で、綺麗な茜空だった。携帯で時間を確認すると、今は大体四時半だった。
そこでまたメールが入っているのに気付いたが、携帯を開いて、確認するよりも、電車の方が先に到着してしまった。
俺はその三百五十円ごとお釣りを手にとり、歩美さんの隣に戻った。ペットボトルを渡して、ベンチにすわる。
「どうしたの?」
「いや、お釣り入ってた」
ニ百円は財布にしまい、三百五十円を歩美さんに見せた。
「きっと私の送り賃ね」
「一体どういう根拠で?」
「勘よ。女の勘は鋭いの」
「あ、そうですか」
ってことはこれは俺の懐に入れていいのか?まぁ……いいか、たまには。もしかしたら歩美さんの言う通りかもしれない、っていうのはな無いな。
一人で心の中で否定した。
「来るわよ」
歩美さんの声で現実に戻った。ホームには電車が来る、との放送が流れている。
俺はペットボトルを開けて、一口分口に含んだ。待合室を出て電車を待つ。遠くの方からライトをつけた電車がこちらに走ってきた。
ふと空を見れば、もう夕方で、綺麗な茜空だった。携帯で時間を確認すると、今は大体四時半だった。
そこでまたメールが入っているのに気付いたが、携帯を開いて、確認するよりも、電車の方が先に到着してしまった。