大吉男と大凶女
その後は結綺のおかげでとんとん拍子に事が済んだ。

まずは二階にある結綺の部屋に歩美さんを運び、ベッドに寝かせた。

すると結綺はタオルを何枚か箪笥から取り出し、歩美さんの体を拭くから、と言って俺を部屋から追い出した。

俺もとりあえず自分の部屋に行って、着替えをした。Tシャツから何から汗で濡れていて気分が悪かったので、俺もタオルで体を拭いた。

Tシャツにジーパンというラフな格好になって、すっきりしたところで、俺は結綺の部屋に行った。

結綺の姿は無かったが、結綺のパジャマを着た歩美さんが寝ていた。

「あ、結兄、勝手に入るなっての。あゆ姉が裸だったらどうするんだ」

ガチャと結綺がドアを開けて入ってきた。その左手には氷枕。

「ほんとびっくりしたわ」

はぁ、とため息をついて、歩美さんの頭をそっとあげて、氷枕を置いた。

「今日卒業式じゃなかったの?」

結綺は床に座る俺の隣に座り、ふぅと一息ついた。

「寝起きの心臓には悪いよ、ほんと。あーびっくりした」

と言って床にごろんと寝転んだ。
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