大吉男と大凶女
しかし昨日は大変だった。

心の中で呟いた。着替えを済ませ、カーテンを開けると、外は朝にも関わらず薄暗く、また少し眠気のダルさを呼び起こすような暗さだった。

とりあえずぐちゃぐちゃの布団を綺麗に直し、昨日脱ぎっぱなしだった制服をハンガーにかけた。

階段を降りて台所に向かう。

平日だから両親は仕事で居ないから、家は物静かだった。

「あれ?おはよう。意外と早いっすね」

結綺が台所で朝食を食べていた。

「オレの分は……?」
「ん」

チョイチョイ、と箸でテーブルの上に乗っているメモを指した。

俺はそのメモを手に取り見ると

「朝ごはんは各自で。お昼も各自で。By母」

と、書いてあった。さては寝坊したな。

「オレのぶ――」
「自分で作りなさいっ」

結綺は目玉焼きを食べながら俺の言葉を遮った。なるほど。だったら自分でやってやろうじゃないか。

俺は結綺が目玉焼きを作るのに使ったフライパンに、マーガリンを入れ、昨日余った冷えたご飯を投入した。

さらにケチャップを投入し、小さく切った鶏肉も投下する。

あっという間にチキンライスを完成させた。
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