大吉男と大凶女
「さて、と」

俺は自分の部屋に行き、ベッドに横になり、携帯を開いた。

携帯には二件のメールの通知。一つは……嫌がらせメールというやつ。

内容は「おめでとうございます!!厳選な抽選の結果、あなた様に百万円が当選いたしました」

というメール。いくら俺がツイている男とは言え、さすがにこんなメールには騙されない。

なんて思いながらも貼り付けられているURLにアクセスすると、案の定名前やら電話番号なんかを打ち込む画面に飛んだ。

出会い系確定、と。

電源ボタンを連打して待ち受けに戻った。改めてもう一通来ていたメールを確認する。

晴紀からだった。

少し慌ててメールを開いた。内容は他に誰か誘いたい人は居るか、ということで、急ぎの内容とかじゃなくて安心した。

特に誘いたい、という人も居なかったから、そのまま今思ったことを返事として返した。

今の時間は十時……。晴紀との待ち合わせの時間まで大体二時間ある。

待ち合わせは一時なのだが、電車に乗らなきゃいけないので、それを踏まえた上での時間だった。
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