大吉男と大凶女
‐2‐
「よぅ待っ――」
「おっそいわっ!!」
「すいませっ」
晴紀は俺の言葉に反射的に謝った。しかも噛んだ。自業自得だ、一時間も遅刻しやがって。
「お、二人共もう来てるな」
晴紀の視線の先には恭子と未奈美が居た。
俺は晴紀の肩をガッチリと掴んだ。
「一体どういうことかを説明してもらおうか」
今からさかのぼる事一時間前――
俺はぎりぎりかと思われた電車に案外余裕で乗り込んだ。
電車はなかなか混んでおり、幸運にも座っていった人が降りていったので入れ替わるように、電車のドアのすぐ隣の席へと座った。
携帯を開いていじってると、視界の横に何かが現れたように感じた。
顔をあげてドアの方を向くと、それはもう絵に書いたようなしわくちゃのお婆ちゃんがいた。
俺は周囲に目をやる。他に空いている席はなかった。
ふぅ、とため息をつく。俺に選択肢は無い。
俺は隣に立つお婆ちゃんへと、席を譲った。まぁ、これは普通なら常識だろう。
だがそのお婆ちゃんは常識を遥かに凌駕したリアクションだった。
「何よ!!年寄り扱いしないでちょうだい!!」
と、声を掛けた側から怒鳴られた。そしてお婆ちゃんは空いた席へと座った。
「おっそいわっ!!」
「すいませっ」
晴紀は俺の言葉に反射的に謝った。しかも噛んだ。自業自得だ、一時間も遅刻しやがって。
「お、二人共もう来てるな」
晴紀の視線の先には恭子と未奈美が居た。
俺は晴紀の肩をガッチリと掴んだ。
「一体どういうことかを説明してもらおうか」
今からさかのぼる事一時間前――
俺はぎりぎりかと思われた電車に案外余裕で乗り込んだ。
電車はなかなか混んでおり、幸運にも座っていった人が降りていったので入れ替わるように、電車のドアのすぐ隣の席へと座った。
携帯を開いていじってると、視界の横に何かが現れたように感じた。
顔をあげてドアの方を向くと、それはもう絵に書いたようなしわくちゃのお婆ちゃんがいた。
俺は周囲に目をやる。他に空いている席はなかった。
ふぅ、とため息をつく。俺に選択肢は無い。
俺は隣に立つお婆ちゃんへと、席を譲った。まぁ、これは普通なら常識だろう。
だがそのお婆ちゃんは常識を遥かに凌駕したリアクションだった。
「何よ!!年寄り扱いしないでちょうだい!!」
と、声を掛けた側から怒鳴られた。そしてお婆ちゃんは空いた席へと座った。