大吉男と大凶女
結局俺はその後、めそめそする太一と一緒に教室に向かった。太一曰く、歩美さんは好きなのではなく憧れなのだ、と否定し続けていた。まぁ本来はそうでなくては色々と大変なのだ。
三年目にさしかかって未だに慣れない長い階段を登りきったところで、俺と太一はクラスが違うので別れた。
「おはよう」
「よっ」
「おっす」
と、教室に入るや否や間も無く幾つものあいさつが飛んでくる。俺はこう見えて顔は広い。まぁ俺が友達だ、と思っているだけかもしれないが……。
軽く自虐的になりながら席についた。エナメルバックを机の横に置き、欠伸をした。欠伸をして閉じていた目を開けると目の前に竹内晴紀(たけうちはるき)が居た。
「随分幸せそうに欠伸をしますねー」
俺の欠伸を見ての感想を洩らした。
「うるせぇい」
小さく反抗する。頬杖をつきながらつられたように晴紀も欠伸をした。目から一滴の涙が溢れた。
「お前も十分幸せそうだよ」
俺は鼻で笑いながら言った。晴紀は机に突っ伏しながらまたまた欠伸をした。
「これで彼女が居たらもっと最高なんだけどな」
三年目にさしかかって未だに慣れない長い階段を登りきったところで、俺と太一はクラスが違うので別れた。
「おはよう」
「よっ」
「おっす」
と、教室に入るや否や間も無く幾つものあいさつが飛んでくる。俺はこう見えて顔は広い。まぁ俺が友達だ、と思っているだけかもしれないが……。
軽く自虐的になりながら席についた。エナメルバックを机の横に置き、欠伸をした。欠伸をして閉じていた目を開けると目の前に竹内晴紀(たけうちはるき)が居た。
「随分幸せそうに欠伸をしますねー」
俺の欠伸を見ての感想を洩らした。
「うるせぇい」
小さく反抗する。頬杖をつきながらつられたように晴紀も欠伸をした。目から一滴の涙が溢れた。
「お前も十分幸せそうだよ」
俺は鼻で笑いながら言った。晴紀は机に突っ伏しながらまたまた欠伸をした。
「これで彼女が居たらもっと最高なんだけどな」