スノーフレーク
高2にもなって一人で寂しくお弁当なんて…。お弁当一つでこんなに苦労するなら素直に地元の高校に入るんだったな。
そう思いながらやっぱり一人でお弁当を食べるわけにも行かず、とりあえず出したお弁当をかばんにしまい保健室に行く事にした。調子悪い事にしてお昼を潰そうとするつもりだった。
「失礼します。」
一階の職員室の隣にある保健室のドアを開ける。中には誰もいなかった。保健室の先生も職員室でご飯中なのかと納得すると三つあるベッドのうち1番左の角のベッドで寝る事にした。カーテンを閉めれば一人孤独の世界。ほのぼのした日もカーテンが遮り自分だけが陰に包まれなんだかさっきよりも寂しくなった。
すると涙が出た。頬を伝って枕に吸収されても涙は次から次へと溢れ出し止まる事を知らなかった。まなとゆきは同じクラスで、二人一緒なら新しいクラスメイトにも意外にすんなり声をかけて打ち解けられる。実際新しい友達とお昼食べる事になったみたいだし。いい事が続けばそれが続いてまたいい事を呼び寄せて、悪い事が続けばそれが続いて悪い事を呼び寄せる。贅沢なんて言わないから、高望みはしないから、そんなチャンスは来ないのかな。
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