スノーフレーク
10分程歩いて駅まで行き、それから20分電車に乗ってまた数分歩いて学校に通ってる。でも今日は数分で学校に着きそうもない。
ぎりぎり一本早い電車には間に合いそうだが薬を飲み忘れたと気づいてから急にお腹が痛みだした。


なんで今日に限って…。
やっとこさ駅に着き電車に乗った。窓から外を見れば、ポカポカ陽気に満開の桜。幼稚園や小学生の親子さん達にとったら絶好の入学式日和じゃん。私だって進級式なんて言うけど久しぶりの学校だもん、こんなポカポカしていい日には学校帰りにどこかに寄ってほのぼのしたかったな。
私生理痛重いから…今日は終わったらすぐ帰ってゆっくり寝よう。

一人でそんな事を考えてるうちに電車が私の降りる駅にとまった。

「ゆみのー。」
反対ホームの私に向かって手を振るのは同じクラスだった時に仲良くなった上野ゆき。
「ゆみのやっほー。」
そしてゆきの隣で手を振る小宮まな。
「おはよー。」
私の地域からこの学校に通う生徒はほとんどいないため電車を降りるまで知り合いに会う事はなかった。だから電車は寂しくて二人を見ると嬉しくて小走りでホームを降りた。お腹の痛みはいつのまにか頭になかった。電車の時間も二人に合わせてもらったのだ。

「今日クラス発表だよー?私また二人と同じクラスだといいなぁ。」
はじめにまなが話す。春休み前にも同じ話しをしたがやっぱり自然とこの話題になる。
「私も、また二人と一緒がいい。てかクラス自体が仲良かったもん楽し過ぎた。」
ゆきもまた春休み前と同じ返しをする。
「私だって~。せっかくみんなと仲良くなれたのにー。」
やっぱり私も同じ事をいった。何回話しても足りないくらいクラス替えは三人にとって憂鬱なものだった。
「ゆみのとクラス一緒だと遠いよね~。でも休み時間とかしゃべりに行くから!」
ゆきは笑って私の方をぽんぽんと叩いた。
ゆきの苗字は上野。私の苗字は山下。同じクラスになっても最初は名簿順に座るから最初はだいたい仲良しだった子と固まる。運が良ければ前後左右になるが私とゆきではありえない事だからだ。
そうして三人でクラス発表にドキドキしながら学校へ向かった。
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