スノーフレーク
中学の頃、最初はなんとなく入部したテニス部にいつの間にか熱中し、三年生になりテニスが強いと言うこの高校に入学しようと決めた。
でも私の年で顧問がかわりゆるい楽な部活へと変化して行った。そんな中途半端な部活をするくらいなら辞めた方がましだと思って一年のはじめで退部した。やっと地域の違う学校へ通う事を親に許してもらえたのに、1番中途半端な事をしたのは自分だったのかも知れない。


一階にある教室にはすぐにつき、机の隅にそれぞれ名前がかいてあり自分の名前を見つけて座った。クラスは40人で私は38番、廊下側の寒い席だった。
少し早く着たせいで、まだ10人も来ていない。
ハァ…、またお腹痛くなってきちゃった。
席に座ると最初の今日なので机に伏せる勇気もなく俯いて他の事を考えて気を紛らそうと意識を集中した。
今日進級式で担任発表に校長の話し聞いたら11時には帰れるかなぁ?
そしたら今日はお昼ご飯何だろう?今は暖かい何かが食べれればそれで満足だなぁ。そーいえば春の食べ物って何かあったっけ?春巻?桜でんぶ?…は一年中食べれるか。うーん何だろう。私のイメージでは中華だけどね。春雨スープとかしゅうまいはもろ春!って感じする。あ、でも麻婆豆腐やエビチリなんかは夏かなー。夏に食べたら辛くてたくさん汗でそうだけど。ああぁ~。中華食べたくなってきちゃった。八宝菜に卵スープ。私この組み合わせ好きなんだよね。まだ買い物にいってなかったらお母さんに作ってもらおっと。お母さんが料理好きでよかったぁ。
とほんとにくだらない事を真剣に討論していた。


「では今から体育館に向かうので廊下に並んで。今日は名簿順のままでいいから。」
気がつくともう人はそろっていて仮担任の天野祐輔がいかにも体育会系の声を廊下全体に響かせ呼び掛けていた。
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