スノーフレーク
あんなに中華の事を考えても虚しくお腹の痛さは変わらず立っているのもやっとだった。
どうしよう。私この式ずっと出れる自信ないよ…。
でも天野先生って苦手だしいいづらいし…ぎりぎりまで我慢してほんとに無理になったら言おう。
廊下に整列し終わるとみんないつもと違う雰囲気のせいか控えめで無言のまま体育館へ入場した。そのまま左に男子右に女子一列になって用意されたパイプイスに座った。
イスあってよかったぁ。
それが私の唯一の救いかな。
お腹も今は大分楽になってきたな。
「起立」
それから数十分新らしく高校生になる子達の入場、その子達のために校歌を歌い、よいやく着席できた。
「起立」
そして生徒会の実行委員により全員にまた起立の号令がかけられた。
今座ったばっかりなのに…。
そう思ったのは私だけじゃなくみんなもだらだらとめんどくさそうに立ち上がる。
ヤバイ…まただ……いや、今日最大のビックウェーブかも。
急に締め付けるようにお腹に痛みが襲う。立つとよけいにお腹伸びてる感じがして痛い。早く座るかそうじゃなかったらこの起立が式終了のために全員で礼してきりをつけるものであって…!
「今から担任発表に移ります。」
私の願いも虚しく実行委員によって私の苦しみが長引いた。
先生に言おうか…、でも私の席は回りのクラスに挟まれてて今の状況じゃとてもじゃないけど呼べないよ…。
こういう自分は大嫌い。
担任発表なんてどうでもいい…なんで今日やらなきゃいけないの?
お願いだから早く、早く終わって…。そのためなら何でもするから!帰りが土砂降りの嵐でもいきなり真冬で風強くてもいいから。
「お前座ってなよ。」
「…え?」
一人の世界に入っていた私の耳元で声がして思わず聞き返してしまった。
あ…、隣の男の子が気づいてくれたんだ。
「いや…、具合悪そうだし。これ、使いなよ。」
そう言うと男の子はそっとカイロを差し出してくれた。
「うん…。」
私がお腹痛い事、気づいてもらえた。それだけですごく救われた気持ちになった。目がうるうるしたのが恥ずかしくて男の子の顔を見ないままカイロを受け取るとイスに座りお腹にあてた。