スノーフレーク

次の日、クラスの事を思いだして現実に引き戻されながらいつものようにまな達と学校へ向かった。こうやって二人で通ってる時間が去年よりも楽しく感じる。もっと通学時間が長くてもいいのに…と一人頭の中で思っていた。何回も"クラス嫌だー"とか言ったらまな達に気を使わせちゃうだけだもんね。
教室に行くためまな達と別れると歩数を増すごとに気分が重くなっていく。
こんなにいい天気なのにちっとも嬉しくないや。
教室に入ると気まずい雰囲気がびんびん伝わってきた。
でもきのうとは少し違い、同じ中学校や部活の友達、もうすでに前後の友達と打ち解けてる子達が授業が始まるまでの時間を一緒になって潰していた。私も……誰か話しかけてくれないかな…。席に座ると私は一人ケータイを開いて時間を潰す事にした。
そういえば担任って誰だっけ？進級式の時は腹痛でそれどころじゃなかったもん。それから10分程立つとチャイムと同時に担任らしき人がドアを開ける。それを合図に席を離れていた生徒達も一斉に席についた。
え…。まさか、この人がうちの担任なの？
入ってきたのは仮担任の時うちらを仕切っていたあの天野祐輔だった。
もう最悪…。クラスに知ってる友達いないわ担任が天野先生だわ。ハァ、もう泣けてくる。これからの高校生活が不安で不安で不安で、とてもじゃないけど無性に元気な先生の自己紹介を聞く元気すら今の私には全くと言っていい程なかった。私はクラスの子にどう声をかけようか、誰にならかけやすいか、他に自分と同じような子はいないかとにかくそれしか頭になかった。もし声かけて迷惑って思われたら、みんなが同じ中学出身の顔見知りが誰かしらいて私だけ一人になっちゃったら…。考えればマイナスな事ばかり頭に浮かびその度に必死に涙を堪え気を紛らした。今泣いたらあの先生の事だからクラスのみんなの前で訳を聞かれるだろう。そんな惨めな思いしたくない…それにみんなに気を使わせても嫌だ…。
もしかしたら話かけちゃえばそれですぐ打ち解けれるかも知れない、私と同じような子がもう一人いて私のように話かけられるのを待っているのかも。